私家版・久里浜医療センターアルコール科入院マニュアル(仮)

これを読んでアルコール科入院生活を活用し倒そう!

アルコール科入院時の持ち物の最適解を考える 第五回 その他雑品

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入院決定時に渡される「〇〇病棟へ入院される皆様へ」なる書類には「持参していただくもの」として、

その他ティッシュペーパー・イヤホン・筆記用具(ノート、ペン)・小遣い(必要最低限)・保険証・入院申込書(あらかじめ記入し、当日医事課職員へお渡しください)

とある。

「アルコール科入院時の持ち物の最適解を考える」シリーズ第五回では、これらその他の中でもこまごまとした雑品にかかる物品の最適解について検討したい。

 

ティッシュペーパー

フェイスタオルでも洗面所においてあるペーパータオルでも賄いきれない諸々に大活躍する必需品。鼻をかんだり食べこぼしをぬぐったりその活用場面は多岐にわたる。箱ティッシュをひと箱持ち込んで自室か食堂の食卓に置いている人が大半であった。箱なしのコンパクトタイプを持ち込む方もおられた。嵩が減って良いようだがそのあたりのこだわりはよくわからん。

ハロー ソフトパックティシュ 150組*5P

ハロー ソフトパックティシュ 150組*5P

 

 

イヤホン

床頭台に備え付けられている個人用のテレビを視聴する場合なくてはならない。逆に自分はテレビは一切見ないし音楽プレイヤーも持ち込まないという人は持参する必要はない。

なお、テレビも見ないし音楽プレイヤーも持ち込まないが騒音に弱い人はノイズキャンセラーとして活用可能。ホワイトノイズ系のアプリをスマホに入れておけばかなりさいきょうだ!

 

筆記用具(ノート、ペン)

別建てで解説するであろう「アルコール依存症リハビリテーションプログラム」にはアルコール依存症という疾患を様々な観点から理解するための勉強会や講義が含まれている。アルコール勉強会とたばこの講義では資料は配布されないので熱意がある場合持参のノートにメモを取って備忘することになる。認知行動療法では「アルコール依存症の集団治療プログラム」というテキストに沿って治療を進めていくことになるが、こちらは夏休みのドリル並に記入箇所が多く場合によっては看護師の書き直し指導も入る。これらの条件からすると必要とされるのはシャープペンシルと消しゴム、他諸々の書類記入用にボールペンがあるとよいだろう。なお、病棟に鉛筆削りはあるが、削りかすを誰が捨てるか問題などがめんどいのでよほどのこだわりがない限り鉛筆は避けたいものだ。

 

小遣い

9週間の入院生活における必要最低限の小遣いとは一体いかほどを用意するものなのだろうか。実際の入院生活で金を使う場面を考えてみると

 

洗濯 コインランドリー一回100円 乾燥機1回100円

売店 200円くらいまでの菓子類 給食にご不満ならカップ麺弁当など200円から500円くらい

飲み物として院内のペットボトル 一本150円くらい

 

となるわけで、そんな使うかなぁ? というのが正直なところだが、実は伏兵が二つある。

 

テレビカード 一枚千円。自分は使ったことがないのでよくわからないが、諸先輩方の言によると視聴時間があまり長くないらしい。検索したところ一般的には一円一分換算、そうすると千分は見れるはずなのだが…。なお皆さん正確に計測していないので申し立ての精度は不明である。テレビが好き且つ諸々の意欲に乏しい方は用事がない限り部屋にこもりひたすらテレビを見るという非生産も極まれりという生活を送られることも多く、結果テレビカード破産して小遣いを近親者に無心する御仁も少なくはなかった。ご利用は計画的にね☆

なお、テレビカードは退院時に清算可能である。

 

煙草 「仮にも病院なのだから禁煙じゃないの? 煙草の講義では煙草の害悪をこれでもかと刷り込んでるし病院も治療に積極的でしょ? なのに喫煙認められてるの? 」と疑念を抱いたアナタは大変正しい。一般論としては病院で煙草などとんでもないしアルコール依存症と煙草依存症は同時に治療したほうが効果が高いようなので病院側としても両輪として進めていきたいのは山々だろう。が、「酒を我慢している人間に煙草まで禁止するとは鬼か! 大体ここにはアルコール依存症治療のために入ってきたんであって禁煙治療まで頼んでねぇぞ! 」と、医学的効率性を絶滅せしむる被害妄想的な謎理論を振りかざす連中でもいたのか、彼らの活躍の成果で、病院敷地内では禁煙だが敷地外では喫煙可という頓智の効いた状況が実現している。こうなると問題は煙草の入手元だが、見舞いの人に差し入れてもらう(刑務所か! )のはまだ合法のうち、重度の愛煙家の方々に置かれましては病院近所のタバコ屋に…おっと誰か来たようだ。

 

なお、喫煙の際は、「敷地外での喫煙時」の都度看護師さんに申告して喫煙具一式を受け取り「密やかに」喫煙、それ以外の際はナースステーションに預けておく決まりである。いちいち申告するのを面倒がって隠し持ち且つそれが発覚した場合は下手をすると非喫煙者含む病棟入院患者全員の荷物検査という誠に以て刑務所めいた事態に至るので、お目こぼしされている愛煙家におかれましては何卒決まりを守っての運用をお願いしたい。

 

ともかく、テレビカードと煙草は浪費につながる。テレビが好きな愛煙家であれば小遣いは数万円は必要になるだろう。

 

なお、諸事情によりスマホ携帯の所持がない方の場合はこれに加え通信代としてテレホンカードまたは切手代がかかることとなるが精神科で入っている人やネット依存で入っている人でない限りきわめてレアなので割愛御免。

 

保険証・印鑑

印鑑は百円ショップの三文判でも問題ない。様々な書類への押印に使う。ない場合は拇印代用も可。

 

入院申込書。

後述する。

 

以上、「アルコール科入院時の持ち物の最適解を考える 第五回 その他雑品」であった。

アルコール科入院時の持ち物の最適解を考える 第四回 その他:洗濯用品 -ピンチハンガー問題の解決方法-

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入院決定時に渡される「〇〇病棟へ入院される皆様へ」なる書類には「持参していただくもの」として、

洗濯用品:洗剤、ハンガー、洗濯物干し

とある。

「アルコール科入院時の持ち物の最適解を考える」シリーズ第四回では、これら洗濯にかかる物品の最適解について検討したい。

 

洗剤

こちらについては、コンパクトで溶け残りのない昨今の液状洗剤を持ち込むのが最適解と考えられる。

トップ ハイジア 洗濯洗剤 液体 450g

トップ ハイジア 洗濯洗剤 液体 450g

 

衣類用漂白剤の持ち込み、利用も自由だ。

ただし、柔軟剤については、洗濯機に専用の投入口が設けられていないため、利用してもあまり効果はないだろう。

ところで、院内の売店には液状の洗剤は売っていない。すべて旧態依然とした粉末洗剤である。液状だと認知症の患者さんが飲み物と間違えて飲んでしまうから売れないというまことしやかなうわさがあるが、たぶん本当だろう。皆様も入院の際は液状洗剤が認知症の方の目につかぬところに収納するよう気を付けていただきたい。

 

ハンガー

クリーニングから帰ってきた衣類についている樹脂製の黒いハンガーは業務用だけあって必要な機能はそろっており且つ頑丈なのでぜひ採用していただきたい。本数は洗濯する衣類の数に合わせればよいのだが、用心して10本くらいはそろえておきたい。

売店に販売あり。

 

洗濯物干し

とはそもそも何であろうか。まさか物干しざおのわけもあるまい。と思ってググってみたらえらい大掛かりなタオルハンガーなど装備した洗濯物干しが出てきて正直驚愕した。まさかそんなものを病室に持ち込むわけもなく、また実際の入院生活で周囲を見たところ、肌着、靴下、タオルなど干すのにピンチハンガーが活用されていたので、ここでの洗濯物干しとは下のようなピンチハンガーを指すものと思われる。

ダイヤ 干し分けハンガー ストロング40ピンチ付

ダイヤ 干し分けハンガー ストロング40ピンチ付

 

このタイプについては売店に販売あり。

が、こちら、実のところ大変かさばるものである。洗面器と異なり頻々と使うものではあるのだが、入院中の収納にも割と困る。またご自宅には一個あればよいレベルのものだから、大抵の人が持ち帰るのを渋る。これらの悩みを解決する商品がこのタイプである。

小久保 洗濯ハンガー PH クロスハンガー ピンチ12個付 KL-075

小久保 洗濯ハンガー PH クロスハンガー ピンチ12個付 KL-075

 

 こちらは折りたためばハンガーサイズになりハンガーバーにかけておけるすぐれものである。嵩張らないながら機能は十分に満たしておるので入院生活にはもってこいである。2本もあれば入院生活には十分足りる。退院後も靴下などこれにまとめて干しておけば取り込んだりたたんだりする手間なくシャツ類と一緒にかけておけるのでいろいろ楽ちんである。怠け者と呼べば呼べ。

このタイプのハンガー、実は100均にも売っている。普段から活用し、入院生活に備えておきたいものだ。

 

洗濯ばさみ

パンツやバスタオルを干すことがあろうかと思われるので、物干しざお用か通常の洗濯ばさみを用意しておくとよいだろう。

 

ランドリーバッグ

記載はないが、長い入院生活、ないと割と不便なので持参を推奨する。

入院生活におけるランドリーバッグに期待されるのは

1 使用済み衣類の一時保管機能

2 1を洗濯機まで運搬する機能

3 洗濯済みの衣類を物干しまで運搬する機能

4 乾いた衣類を病室まで運搬する機能

であるため、水に強く乾きやすく汚れのつきづらいものが望ましい。

また、ベッドわきにおけるコンパクトさがあればなおよい。

これらを総合して検討したところ、

 

 この商品が最適であるという結論に至った。

入院期間は長い。

巾着タイプのビニールバッグだろうが、洗面器だろうが、ごみ袋レジ袋だろうが、はたまたイケアの青いアレだろうが用は足りるわけだが、QOL向上のためにも、このような商品を導入する余裕がほしいところだ。

なお、

 こういうのを導入している方もおられたが、洗濯物が見えちゃうのと可塑性がなく場所をとるところから聊か不便に見受けられた。

ま、好き好きであるが。

 

以上、「アルコール科入院時の持ち物の最適解を考える 第四回 洗濯用品」であった。

アルコール科入院時の持ち物の最適解を考える 第三回 衣類・履物 -スリッパ・サンダルを避けるべき理由-

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さて、第三回では衣類・履物について検討する。

入院決定時に渡される「〇〇病棟へ入院される皆様へ」なる書類には「持参していただくもの」として、

 

衣類・履物:普段着3~4枚、パジャマ、下着、靴(スリッパやサンダルは不適当)

 

とある。

 

「アルコール科入院時の持ち物の最適解を考える」シリーズ第三回では、これら衣類にかかる物品の最適解について検討したい。

 

普段着3~4枚

のっけから曲者である。普段着3~4枚? みんなどのレベルのものを持ってきているのか? あと単位がよくわからん。3~4着なのではないか? と思ったアナタ。

みんな同じところで蹴躓くので安心していただきたい。

枚数は自分が洗濯する頻度に合わせるのが適当であろう。一週間に一度しか洗濯しないなら普段着上下と肌着靴下で7揃いは必要だろう。一方で2~3日に一度洗濯する心づもりがあるのなら珈琲を零すなどの不慮の事故への備え含め4揃い程度で十分だ。季節によっては温度調整用に羽織るもの、外に出るなら上着が必要になるが、このあたりは入院時のものを流用しても足りるだろう。

院内の気温はやや暖かく設定されている。空調の稼働時間は起床から就寝まで、その間は室内にいるのならば長袖シャツと長いパンツのみで問題はない。普段着というより部屋着という体で、「中学の時のジャージ」の上位互換レベルの服装を選んでおれば問題ない。

院内では自分と同じ身の上の患者、医者、看護師、見舞いの方ぐらいにしか会わない。清算関連で外来受付にいくこともあるが、そうそうあるものではない。自分が楽で着心地のよいものを選ぶのが一番だ。

とはいえ上記はあくまで最低限の服装であって、自分の好きな服装をすることを咎められるわけではない。その服を纏うことで治療にやる気が出るのであれば、ショップの店員のようにきらびやかに飾っても問題はないのだ。

 

まとめると

・洗濯を2~3日おきにするとして、上下肌着靴下で4揃あると無難

・スウェットやTシャツなど、洗いやすく乾きやすく着脱の楽なものを選びたい(採血含め検査が多いので)

・季節によっては羽織るものを

・季節によってはアウターが必要だが入院時の上着で足りるのであまり考えずともよい

というところか。

 

パジャマ

1着で十分だろう。部屋着のまま就寝すると生活の区切りがつかず治療上よろしくないそうなので、部屋着と大して変わらないものであっても「就寝時だけに着るもの」を別建てで用意したい。

 

下着

「普段着」で書いた通り、洗濯を2~3日おきにするとして4揃あれば無難だろう。

 

靴(スリッパやサンダルは不適当)

院内は基本土足である。といって入院時の靴をずっと履いているのは衛生的倫理的に躊躇われるので、大抵の人は院内履きを用意しようと思うだろう。学校ではいていたようなバレーシューズでも安めのスニーカーでもデッキシューズでもなんでもいいのだが、踵のないスリッパやサンダルが不適当とされているにはわけがある。

夜中、足音がすっげー響くんである。

アルコール依存症患者は大概不眠を併発しているため、就寝後、ナースルームとトイレ以外のすべての部屋が消灯されているにも関わらず、皆さん非常によく立ち歩く。その理由は、追加の眠剤を貰いに行くためであったり、用を足すためであったり、ベッドに横になっているのに飽きてただ食卓に座るためであったり様々である。理由はともかくとして、踵のない履物で往来されるとこれが非常に響くのである。眠剤を貰ってようよう寝つかんという頃にぱたぱたの往来で目を覚まされると正直殺意が沸く。着脱に楽という点ではスリッパサンダルに勝るものはないのだが、ほかの患者さんの安眠のためにも、足音の静かな履物を選んでもらいたい。もちろん踵がないと躓きやすいなどの安全面の問題もあろうが、患者間で一番問題になったのは消灯後の足音であった。ご一考いただきたい。

なお当方では、バレーシューズは入院患者らしすぎるぅ、といってスリッポンやスニーカーだと蒸れが気になるぅ、ということで、ミドリ安全のサンダルを用意した。これがすこぶる具合がよろしかったのでご参考まで紹介したい。

 なお、下駄を履くバカはいないと思うが、病院なのでバンカラを気取りたくともなにとぞ謹んでいただきたい。うるせぇんだよ。

 

以上、「アルコール科入院時の持ち物の最適解を考える 第三回 衣類・履物」であった。

アルコール科入院時の持ち物の最適解を考える 第二回 食事用品 -スプーンの重要性-

前記事:

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さて、第二回では食事用品について検討する。

入院決定時に渡される「〇〇病棟へ入院される皆様へ」には「持参していただくもの」として、

 

食事用品:はし、はし箱、ふきん、湯飲み、スプーン

 

とある。

 

「アルコール科入院時の持ち物の最適解を考える」シリーズ第二回では、これら食事にかかる持ち物の最適解について検討したい。

 

はし・はし箱

言うまでもない基本のきである。だが、いくつか注意点がある。

・日常使っている箸をそのまま利用する場合、サイズの合うはし箱が見つからない場合があるようだ。実際、箸箱が箸に比して小さかったために箸箱に穴をあけ先端をそこから出すことでかろうじて納めているという事例を目撃したことがある。衛生なんてあったもんじゃない。不憫なので慎重に探すか最初からセットになっているものを買うがよろしい。

・たまに麺が出るため麵用の箸を推奨する。

 

ふきん

はしやはし箱、湯飲みを拭くことを想定しているのだと思うが、ほとんどの方が設置してあるペーパータオルを使用していた。塩素消毒などしづらい環境下では衛生的な見地からもペーパータオルに一元化してもよいのではないだろうか。

 

湯飲み

お好みだが蓋のできる保温マグを使用している方が多かった。うがい用のコップと兼用している方もおられた。自分は保温マグの口径に合わせた茶こしを持参、好みの茶葉で煎れた煎茶を楽しんだ。参考にされたし。

 

スプーン

大変重要である。カレーが出るからだ。ランチジャーの流行に伴いカバーのついた樹脂製のスプーンが100円ショップにも並ぶようになったのでそちらを推奨したい。ただし樹脂製はいささか油脂の落ちづらい傾向があるので使用後はペーパータオルでふき取るなどの工夫が必要。

 

その他カトラリー

珈琲をよく飲むならティースプーンなどあると便利かも知らん。

スパゲッティは出るが箸でなんとかなる。

ナイフはそもそも持ち込み不可。

 

調味料について

アルコール依存症で入院してくる方は大概血液検査で異常値が出ており食事療法に従事することを余儀なくされている。具体的には肝臓庇護のため高蛋白低脂肪塩分10g以内の献立の方が多いようだ。必然的に味は物足りないものとなるだろうが、治療中の身であることをよく考え、調味料飯の友類の持ちこみ使用は自制したい。献立に苦心してる栄養士さんが泣いちゃうだろ? いっそ健康のために推奨される塩分量を舌で覚えて帰ってやるくらいの気概で挑みたいものだ。

なお、献立によっては醤油鯛ほかの調味料がついてくる。醤油鯛一尾分3.8gの醤油に含まれる塩分量は約0.53g。案外少ないものである。

 

以上、「アルコール科入院時の持ち物の最適解を考える 第二回 食事用品」であった。

久里浜医療センターアルコール科病棟:病室の収納事情

希望とお金を出さなければ六人部屋に入ることになる。

その場合の一人当たりの収納は

 

ベッドの枕元に株式会社ホスピタルネット 床頭台 LC-200S

(カードタイマー組み込み、テレビ付き、スライドテーブル、鍵付き引き出し、観音開き棚板収納、再度にはタオルかけあり、キャスター付き、冷蔵庫なし

 

その上部に片開きの下に通常の棚のついた吊戸棚

(片開きの棚は機内持ち込み可能なキャリーバッグがぴったり入るサイズ感、扉なしの棚はA4のファイルがぴったり入るサイズ感、下にはハンガーポール設置)

 

ベッドサイドにすでに生産終了したパラマウントベッドのスツールロッカー KC-613

(金属製、キャスター付き、スツールを名乗るだけあって蓋はクッション様、一枚蓋と折り畳み蓋の二種類があり一枚蓋の場合開閉が面倒且つやかましくて閉口する、蓋は小さい座布団二枚くらい、二人で腰かけるにちょうどいいくらいのサイズ感)

 

となる。

 

これにベッドサイドテーブルをあわせたものが、一人充て収納となる。

 

ベッド下に大量の靴を詰め込んだり、ベッドにぐるりとめぐらされているカーテンレールを衣文掛けかわりにしている事例を見聞きしたが、ベッド下は毎日清掃が入るので迷惑だし、カーテンレールにものをかけると耐荷重オーバーして落ちてくる可能性があるし、いずれ推奨できるものではない。

 

比較的荷物の少なかった自身の事例だが、それぞれの収納の使い方をご参考まで紹介する。

 

床頭台

トップのテーブル:歯磨きセット、日持ちしないおやつ、作業で作成した小銭入れ(コインランドリー用に100円玉が入っている)、お絵かきセット、カトラリー

テレビテーブル:マグボトル、マグボトル用茶こし、煎茶の入った茶缶

鍵のかかる引き出し:預金通帳、財布、保険証、自宅の鍵、印鑑

観音開きの棚

 上段:海で拾った石、筆洗い、作業療法で作成した陶器・革製品、おやつ用シール容器

 下段:洗濯用洗剤、入浴セット入りスパバッグ・勉強道具入りトートバッグ(清掃時のみ収納)

 下段:トートバッグ、折り畳み傘、念のために持ってきた合羽、エコバッグ

両サイドのタオルかけ:手ぬぐい

 

吊戸棚

片開きの棚:キャリーバッグ、見舞い品の入っていた紙袋など使用頻度の低い物品

通常の棚:入院関連書類を入れたクリアホルダー、「アルコール依存症の集団治療プログラム」、趣味の書籍、参考書、ノート、ティッシュボックス、電卓

 ハンガーポール:洗濯用ハンガー

 

スツールロッカー

衣服と食料品(缶詰、乾物メイン)と入院時に履いてきた革靴

 

ベッド足元の柵

バスタオルを掛干し

 

ベッドサイドの柵

勉強セットとカトラリーを収納した小さいトートバッグをS字フックで掛けておいた

 

ベッド下

ジョギングシューズ一足

 

ベッドサイドテーブル

毎日四時の検温表、読みかけの本

 

こんな具合であった。

 

ついでに収納関連であってよかったものを紹介する。

 

S字フック

ひっかけ収納の雄である。あるとないとではベッドサイドの収納力が段違いになる。シーツ替えの際は作業の邪魔になるので外して棚に入れておこう。

 

バッグハンガー

食堂のテーブルにバッグをちょいがけするのに非常に便利。ちょっと不安定なのが玉に瑕。

 

ランドリーバッグ

無印良品の炬燵布団が入っていた薄くてでかい布製の巾着袋を二つ持ち込んだ。一つは未着用の肌着類用、もう一つはランドリーバッグとして利用。薄手で折りたためる上に洗濯物と一緒に洗える巾着袋は洗濯・物干しの際に大変便利であったため持参を推奨したい逸品である。

 

小銭入れ

財布を持ち歩くのはどうにも不用心なのだが洗濯やら売店詣でやらの際には小銭が必要になる。正直なくて非常に困った。あまりに困ったので最初の作業療法で作成、入院中ものすごく活用した。普通はそんなまどろっこしいことやってられないだろうから持参を推奨したい。

 

小さめの箱

見舞いの菓子箱流用。ばらばらにしたくないものを収めるのによろしい。あれば見栄えがよくなる程度。なければないでなんとかなるのでこいつのことはそれほど。

 

ジップロック

でもなんでもいいんだがとりあえずファスナー付きのビニール袋。食べかけのおやつの収納などに至便。持参推奨。

 

ブックエンド

本と精神を安定させてくれる。

 

では次に、持ってきたはいいが今一つ役に立たなかったものを紹介する。

 

吸盤式のフック

取り付ける場所がない。

 

なお、病室に入れると居住空間が絶滅するレベルのキャリーバッグを持参した場合などには、病院の物置で仮保管してくれるようである。

 

以上、「久里浜医療センターアルコール科病棟:病室の収納事情」であった。

アルコール科入院時の持ち物の最適解を考える 第一回 洗面・入浴物品 -洗面器は必要か-

自律的にせよ、他律的にせよ、久里浜医療センターへの入院が決まれば、「〇〇病棟へ入院されるみなさまへ」と題した書類を渡され、それに応じた準備をすることになる。

女性九週間、男性三か月という長い入院生活を送るのだから、荷物も当然それなりの量になる。

久里浜医療センター名物「外来病棟を行きかうショッピングカート」も、この荷物の多さに端を発するのであろう。

 

さて、件の書類には、「持参していただくもの」として

洗面・入浴物品:タオル、バスタオル、歯ブラシ、歯磨き粉、コップ、洗面器、石鹸、あかすり、シャンプー・髭剃り(電気カミソリ、T字カミソリ)

とある。

 

この「アルコール科入院時の持ち物の最適解を考える」シリーズ第一回では、洗面入浴にかかる持ち物の最適解について検討したい。

 

タオル

病棟内にコインランドリーがあるので、二・三枚フェイスタオルがあればよいと思われる。

100円ショップに端の始末をしてある手ぬぐいがある。そちらも乾きやすいのでオススメだ。

ハンドタオルはお好みであるがあまり使わないだろうことを申し添えておく。洗面所にはもれなくペーパータオルが設置してあるのでそれを使えばよいからだ。

ただ、無料だからといって一度に複数枚取るのはオススメしない。手洗いの度に5枚10枚と引き抜いて使う御仁を見かけたが病院の負担が嵩みひいては入院費の値上げにつながりかねないのでやめたほうがよい。

 

バスタオル

風呂上り用なので一枚で十分である。

 

歯ブラシ

一本あれば十分である。売店にもある。

 

歯磨き粉

旅行用ではこころもとない。通常サイズを一本。

 

コップ

100円ショップで割れにくいお好みのものを買ってくればよろしい。歯ブラシと歯磨き粉を立てたときに転ばない程度の安定感があればなおよろしい。

 

洗面器

後述する。

 

石鹸

お好みで。ボディソープでもなんでも。自分の場合石鹸を石鹸袋に入れスパバッグの持ち手に結び付けて使用していた。乾きやすいのでなかなかよろしかった。

 

あかすり(タオル)

お好みで。普段使いを持参するもよし、100円ショップで新たな境地を開拓するもよし。ただ、100円ショップのものは肌触りは確認できるが長さや幅が思ったような感じではなかったりするので普段使いを計測したうえで店頭に挑むとなおよろしい。そんな余裕ない? 尤もだ。

 

シャンプー(とリンスまたはコンディショナー)

皆さんここぞとばかりにお好みのものを持参しておられた。もちろん旅行用などというちまい容量のものではなくポンプタイプである。これまで使っていたものを持参するにあたっては「輸送中にポンプが押されて洗剤が漏れちゃうんじゃないか問題」を懸念する方もおられるかもしれないが上にものを乗っけたりしないかぎり存外平気である。

 

髭剃り(電気カミソリ、T字カミソリ)

基本男性向けなのでこのような記述になっているが女性もムダ毛処理のために諸々の剃毛具を持参する必要があろう。ここで注意しなくてはならないのは、患者には精神的に参り切っている人も少なくないため基本的に刃物はナースステーション預かりとなるという点である。T字カミソリの持参は推奨さられているがその所持が自由というわけではないのだ。とはいえ院内では使用前に申告し使用後に返却すればよいだけでさしたる手間はない。なお、電気カミソリ、脱毛器具など刃物のついてないものについては預ける必要はない。

 

さて、洗面器である。

 

洗面器。めっちゃかさばるのだ。持参に困る、収納に困る、持ち帰るに困る、とまぁいいことが一個もない。浴場にカランしかなければ入浴時に活躍もしたであろうが、シャワーがあれば洗面器は入浴時の物品の運搬と洗濯物の仮置きぐらいにしか役に立たない。「邪魔だから見舞いに来た身内に持ち帰ってもらった」「おいて帰りたい」などの声が多数聞かれた。正直、持ち物リストから外してもいいんじゃないか、と思う。

一方で入浴時の物品の運搬保管に大活躍したのがスパポーチ、またはスパバッグである。

3WAY 2重構造 オシャレ 温泉バッグ スパバッグ(クリア) 163343
 

 バッグの一部(主に底の部分)がメッシュになっており水抜けしやすく、入浴関係の物品を収納したまま保管しておけるすぐれものである。

アルコール科に限らず、自力入浴を伴う長期入院に当たっては、ご一考いただきたい。

 なお、類似の商品は100円ショップでも取り扱いあり。

 

では次に、リストに載っていない洗面・入浴物品についての注意事項を記す。

 

化粧品

持ち物リストにはないが、避けて通れぬのが化粧品である。

大抵の場合、男性であれば整髪料・アフターシェーブローション、女性であれば整髪料に加え化粧品の類を持参することになると思われる。

が、このとき注意しなくてはならないのは

・アルコール持ち込み禁止

・香りの強いもの持ち込み禁止

という二点の禁忌である。

 

まぁ飲んじゃうってことはないと思うが、依存症末期には医療用アルコールを飲んだ方もおられるし、アルコールの臭いで飲酒欲求が極まっちゃう方もおられるかと思われるので、禁忌となっているのであろう。

また、香りは常にして非常にデリケートな問題を孕んでいるので、紛争の種はわざわざ持ち込まぬが吉であろう。

 

なお、アルコール依存症は違法薬物とも親和性が高い病気なので、特記はないが、ネイルや除光液など揮発性の高い化粧品もナースステーション預かりになると推察される。

 

爪切り

記載はないが爪切りは非常に重要である。刃物の一種なのでナースステーション預かりになるかもしれないが持参を推奨する。

 

以上、「アルコール科入院時の持ち物の最適解を考える 第一回 洗面・入浴物品」であった。

アルコール科病棟への食品持ち込みチェックは厳しかった

病院の食事とは物寂しいものだ。

栄養士さんが患者さんの状態と予算と季節に合わせてはげあがるほど悩んでメニューを考えてくれているのは重々承知だし、そもそも所詮病院食とあきらめればよいのだが、それでも物寂しいったら物寂しい。

売店もあるが、大手コンビニが入っているわけではないので、やはり品ぞろえが物寂しい。

そうなると、人に差し入れを頼んだり、外泊時に買い込んだものを持ち込んだりして、少しでも入院生活の食卓に花を添えたくなるのが人情というものである。

が、ここはアルコール科病棟、持ち込みに当たっては厳しい掟がある。

 

ひとおつ。酒精の入っているものはダメ、絶対!

ふたあつ。つまみっぽいものもダメ! なぜなら酒を連想させるから!

みっつ! 冷蔵庫に入れなきゃいけないものはダメ! だってこの病棟には冷蔵庫がないから! (他の病棟にはあるらしいが)

よっつ! においの強いものはダメ! なぜならここは病院だから! ほかの患者さんにご配慮ください! (そりゃそーだ)

 

というわけで、見舞客におかれましては差し入れを、患者におかれましては外出・外泊先から持ち帰ってきた荷物全てを看護師さんが厳密に改め、掟に反しているものはボッシュートの憂き目にあうのだ。

 

自分はこの掟をあまり重く受け止めていなかったもんだから、初回外泊で浮かれ気分で購入して持ち込んだものはばんばんボッシュートされた。もーばんばん。

 

中で一番びっくりしたのが、こんにゃく畑である。

 

子どものおやつにするこんにゃく畑に何が? と思ったら、洋酒が入っておった。

 

他、みりんの使ってある焼き鳥・レバの缶詰。煮切ってあるだろうとは思うが、やはり原料として書いてある以上ご禁制。

 

チータラ。その前に差し入れでいただいていたときは通ったので大丈夫かと思ったら「このようなお酒を連想させるような商品はちょっと…」

ボッシュート

 

鮭かわチップスに至っては笑うしかない。

なぜ買ったし。

 

ローソン100で買った「あの菅原文太が愛したキムチ」も匂いの点でボッシュート

 

しかし一番の伏兵は、ちょっと前まで売店にあった森永焼きプリンがボッシュートの憂き目にあったことだった。

 

いや、これちょっと前に売店にありましたよね?

でも原材料表示に「洋酒」ってあるからダメー。

 

なお、没収された食料品のうち冷蔵品は記録室の冷蔵庫で保管、次回外出時に返却してくれる。常温保存可能な商品は退院時にまとめて返却してくれる。決して廃棄されるわけではないのでご安心を。

 

いかにも洋酒に満ち満ちていそうなサヴァランやパウンドケーキはともかくとして、よもやお子様のおやつにまでご禁制の品が入っているとは思わなんだ。

皆様のご参考になれば幸いである。