私家版・久里浜医療センターアルコール科入院マニュアル(仮)

これを読んでアルコール科入院生活を活用し倒そう!

アルコール科入院時の持ち物の最適解を考える 第三回 衣類・履物 -スリッパ・サンダルを避けるべき理由-

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さて、第三回では衣類・履物について検討する。

入院決定時に渡される「〇〇病棟へ入院される皆様へ」なる書類には「持参していただくもの」として、

 

衣類・履物:普段着3~4枚、パジャマ、下着、靴(スリッパやサンダルは不適当)

 

とある。

 

「アルコール科入院時の持ち物の最適解を考える」シリーズ第三回では、これら衣類にかかる物品の最適解について検討したい。

 

普段着3~4枚

のっけから曲者である。普段着3~4枚? みんなどのレベルのものを持ってきているのか? あと単位がよくわからん。3~4着なのではないか? と思ったアナタ。

みんな同じところで蹴躓くので安心していただきたい。

枚数は自分が洗濯する頻度に合わせるのが適当であろう。一週間に一度しか洗濯しないなら普段着上下と肌着靴下で7揃いは必要だろう。一方で2~3日に一度洗濯する心づもりがあるのなら珈琲を零すなどの不慮の事故への備え含め4揃い程度で十分だ。季節によっては温度調整用に羽織るもの、外に出るなら上着が必要になるが、このあたりは入院時のものを流用しても足りるだろう。

院内の気温はやや暖かく設定されている。空調の稼働時間は起床から就寝まで、その間は室内にいるのならば長袖シャツと長いパンツのみで問題はない。普段着というより部屋着という体で、「中学の時のジャージ」の上位互換レベルの服装を選んでおれば問題ない。

院内では自分と同じ身の上の患者、医者、看護師、見舞いの方ぐらいにしか会わない。清算関連で外来受付にいくこともあるが、そうそうあるものではない。自分が楽で着心地のよいものを選ぶのが一番だ。

とはいえ上記はあくまで最低限の服装であって、自分の好きな服装をすることを咎められるわけではない。その服を纏うことで治療にやる気が出るのであれば、ショップの店員のようにきらびやかに飾っても問題はないのだ。

 

まとめると

・洗濯を2~3日おきにするとして、上下肌着靴下で4揃あると無難

・スウェットやTシャツなど、洗いやすく乾きやすく着脱の楽なものを選びたい(採血含め検査が多いので)

・季節によっては羽織るものを

・季節によってはアウターが必要だが入院時の上着で足りるのであまり考えずともよい

というところか。

 

パジャマ

1着で十分だろう。部屋着のまま就寝すると生活の区切りがつかず治療上よろしくないそうなので、部屋着と大して変わらないものであっても「就寝時だけに着るもの」を別建てで用意したい。

 

下着

「普段着」で書いた通り、洗濯を2~3日おきにするとして4揃あれば無難だろう。

 

靴(スリッパやサンダルは不適当)

院内は基本土足である。といって入院時の靴をずっと履いているのは衛生的倫理的に躊躇われるので、大抵の人は院内履きを用意しようと思うだろう。学校ではいていたようなバレーシューズでも安めのスニーカーでもデッキシューズでもなんでもいいのだが、踵のないスリッパやサンダルが不適当とされているにはわけがある。

夜中、足音がすっげー響くんである。

アルコール依存症患者は大概不眠を併発しているため、就寝後、ナースルームとトイレ以外のすべての部屋が消灯されているにも関わらず、皆さん非常によく立ち歩く。その理由は、追加の眠剤を貰いに行くためであったり、用を足すためであったり、ベッドに横になっているのに飽きてただ食卓に座るためであったり様々である。理由はともかくとして、踵のない履物で往来されるとこれが非常に響くのである。眠剤を貰ってようよう寝つかんという頃にぱたぱたの往来で目を覚まされると正直殺意が沸く。着脱に楽という点ではスリッパサンダルに勝るものはないのだが、ほかの患者さんの安眠のためにも、足音の静かな履物を選んでもらいたい。もちろん踵がないと躓きやすいなどの安全面の問題もあろうが、患者間で一番問題になったのは消灯後の足音であった。ご一考いただきたい。

なお当方では、バレーシューズは入院患者らしすぎるぅ、といってスリッポンやスニーカーだと蒸れが気になるぅ、ということで、ミドリ安全のサンダルを用意した。これがすこぶる具合がよろしかったのでご参考まで紹介したい。

 なお、下駄を履くバカはいないと思うが、病院なのでバンカラを気取りたくともなにとぞ謹んでいただきたい。うるせぇんだよ。

 

以上、「アルコール科入院時の持ち物の最適解を考える 第三回 衣類・履物」であった。